休職中ケアマネのゆるい暮らし

46歳男性既婚ケアマネがいろいろあって適応障害の診断を受けて仕事を休んで家にいる日常を綴ります。男性でそこそこがんばってきて、そこそこの年齢で、いったん立ち止まった人と共感できればいいなと思います。

介護の仕事を始めたきっかけ

介護士として働こうと思ったきっかけは特にありません。

自分にできることで誰かのために働こうとは思っていましたが、それが介護とは考えていませんでした。ただ何かの現場の最前線にいたい、とは考えていたと思います。

介護の仕事を始める前、自分に合うかどうかわからなかったので、近くの有料老人ホームでボランティア?をしたことがあります。はじめは見学から。その次に外出レクの付き添い。そうやって何日か通ってからアルバイトとして雇ってもらった記憶があります。当時は結婚直後なのにいろいろあって29か30歳で無職で、なにか資格を取ろうと思いヘルパー2級の講座に通って資格を取ったところでした。

 そのボランティアをさせてもらった施設では、介護の「か」の字も知らない全くの素人から始まったのでゼロからすべてを教えてもらいました。

陰部洗浄って知ってますか?起き上がれない人の陰部をベッド上でぬるま湯で流してきれいにすることです。それを習ったのもその施設でした。

寝たきりのおばあさんで言葉も話せず拘縮も進んだ方がいて、おむつの中が軟便でドロドロの状態でした。おむつを外すと便がお尻から前に回っています。女性の陰部を自分の指で開いて中に入った便をペットボトルのぬるま湯で洗い流します。そんなことは今までやったこともないし、この世にやる人がいるとも思っていませんでした。これはギリギリの最前線だと思いました。するほうもさせるほうも、人間の尊厳の最前線だと。相手が恥ずかしい思いをしないよう仕事としてちゃんとやらなければならないと。

16年後の今から振り返ってみるとその出来事が16年間も介護をすることのきっかけだといえばそうなのかもしれません。